てんかんがある人の電気コード事故を防ぐには、発作中にコードや家電へ触れなくても済む環境を作り、コードによる転倒・感電・やけどの危険を減らすことが大切です。コードを床に這わせない、傷んだコードを使わない、発作時に電源へ近づかなくて済む配置にする、といった対策を家族や同居人と決めておきます。
電気コード事故を防ぐために、まず行うこと
電気コードは「発作が起きても体や顔に当たりにくく、引っかかりにくい場所」に配置します。次の対策を組み合わせてください。
- 通路やベッドの周りにコードを横切らせない
- コードを壁際に寄せ、必要に応じてカバーや固定具で動かないようにする
- 延長コードや電源タップを、手をつく場所や寝返りで体が触れる場所に置かない
- 電気ポット、アイロン、ヒーターなど熱を持つ家電のコードを、引っ張られやすい位置に置かない
- 使用していない家電は電源を切り、必要に応じてコンセントから抜く
- コードを家具の下敷きにしたり、強く折り曲げたり、束ねたまま大きな電力を使ったりしない
発作時に本人が倒れる可能性のある場所には、コードだけでなく、角のある家具、ガラス製品、熱い飲み物なども置かないようにします。コードを整理しても、家具や家電の配置によって危険が残る場合があるため、普段の動線と倒れそうな範囲を一緒に確認します。
傷んだコードや電源タップは使わない
コードの被覆が破れている、芯線が見えている、差し込み部分がぐらつく、焦げた跡や異臭がある場合は使用を中止します。テープを巻くだけで使い続けず、電源を切ってから交換や点検を依頼してください。
電源タップに多くの機器を接続すると、定格容量を超えて発熱や火災につながるおそれがあります。電源タップの表示容量と接続する機器の消費電力を確認し、タコ足配線を避けます。水の近くでは電気製品を使わず、濡れた手でプラグに触れないことも重要です。
発作中に電気コードが近くにある場合の対応
発作中は、本人を無理に押さえたり移動させたりせず、まず周囲の危険を取り除きます。電気コードや家電が近くにあっても、本人を動かすより、手が届く範囲で安全に電源を切れるかを判断します。
- 周囲の人に声をかけ、家具や硬い物、熱い物を遠ざける。
- 可能なら眼鏡を外し、頭の下に柔らかい物を置く。
- 首元をゆるめ、発作の開始時刻と続いた時間を確認する。
- けいれんが治まったら、呼吸を妨げないよう体を横向きにする。
- 意識が十分に戻るまで、水や薬、食べ物を口に入れない。
口に物を入れる、舌を押さえる、体を押さえつけるといった対応は避けます。発作時の具体的な対応や、本人に処方された発作時の薬の使い方は、主治医から家族や同居人も説明を受けておくと安心です。
感電が疑われるときは、先に電源を切る
電気コードに触れた直後に倒れた場合は、てんかん発作と決めつけず、感電事故の可能性を考えます。電源が入ったままの人に直接触れてはいけません。分電盤のブレーカーを切る、プラグを安全に抜くなどして、電源が確実に切れたことを確認してから救助します。
電源を切れない場合は近づかず、周囲の人に助けを求めて救急車を呼びます。意識や呼吸の異常、やけど、けががある場合も、感電の程度を自己判断せず、地域の救急窓口へ連絡してください。
救急車を呼ぶ目安
発作が長く続く、いったん止まっても繰り返す、発作後も意識や呼吸が戻らない、強く頭を打った、入浴中や水の近くで起きた、やけどや感電が疑われる場合は、緊急性があります。日本では119番への通報を検討してください。
普段の発作と違う場合や、発作の長さを測れなかった場合も、本人の安全を優先して医療機関へ相談します。個別の救急対応は、本人の病状や主治医の指示によって異なります。
家庭で決めておく安全ルール
本人だけに対策を任せず、家族や同居人と次の内容を共有します。
- コードを通路に置かない、傷んだコードは使わない
- 発作時に電源を切る担当と、救急車を呼ぶ担当を決める
- 分電盤の場所とブレーカーの切り方を確認する
- 発作の開始時刻を測る方法を決める
- 主治医から受けた発作時の対応を、家族も確認する
電気コード事故の防止では、コードを固定して転倒や接触を減らすことに加え、傷んだ製品を使わないことが基本です。発作中に電気へ触れる危険がある配置を避け、感電が疑われる場合は電源を切るまで本人に触れない、というルールを家族で共有してください。







