てんかんがある場合の家具の転倒防止は、家具を壁や床に固定することに加え、発作中に体をぶつけてもけがをしにくい配置にすることが大切です。特に、寝室や発作が起こりやすい場所では、背の高い家具をベッドの近くに置かないようにします。
まず行うべき家具の転倒防止
家具は、家具の種類と設置場所に合った器具で、壁の下地など強度のある部分に固定します。置くだけの滑り止めは補助にはなりますが、背の高い家具の転倒を単独で防ぐ方法とは考えないでください。
- タンスや本棚などの背の高い家具を、壁に固定する
- 家具の上部と壁を、転倒防止ベルトやL字金具などで連結する
- 壁の石こうボードだけでなく、柱や間柱など固定できる場所を確認する
- 家具と床の間に、転倒防止用の器具を正しく取り付ける
- キャスター付き家具は、使用中に動かないようロックする
- 家具の上に重い物や割れ物を置かない
賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合は、家具固定を禁止する規約がないか確認したうえで、突っ張り式の器具や家具の連結などを検討します。ただし、家具の重さや高さ、天井の強度によって効果が変わるため、器具の説明書どおりに設置してください。
発作が起こる場所では家具の配置を見直す
家具を固定しても、発作中に体をぶつければけがをする可能性があります。ベッドや普段過ごす場所の周囲から、角のある家具や倒れやすい物を遠ざけることが重要です。
- ベッドの近くに背の高い本棚やタンスを置かない
- 家具の角が頭や顔の高さに来ないようにする
- 動線上のガラステーブルや折りたたみ家具を減らす
- 家具と家具の間に、体が挟まる狭いすき間を作らない
- 床にコードや小物を置かず、つまずきにくくする
- ベッドは、窓や暖房器具、硬い家具から距離を取って置く
角を保護するクッション材は、家具の固定とあわせて使います。クッションだけで家具の転倒や発作中のすべてのけがを防げるわけではありません。
家具を固定するときの確認ポイント
器具を取り付ける前に、家具の重さ、壁の材質、固定する位置を確認します。自分での取り付けが難しい場合は、家族や管理会社、家具固定を扱う業者に相談してください。
- 背の高い家具、重い家具、ベッドの周辺にある家具を洗い出す
- 家具の上に置いている重い物や割れ物を下ろす
- 壁の柱や間柱など、固定先の強度を確認する
- 家具に合う転倒防止器具を選び、説明書どおりに取り付ける
- 家具を軽く動かし、ぐらつきや固定部のゆるみがないか確認する
- 定期的に、ねじのゆるみや器具の破損を点検する
家具を複数並べている場合は、家具同士を連結できる製品もあります。ただし、連結だけで壁への固定が不要になるとは限りません。高さや重量に応じて、壁への固定も検討します。
発作中に家具へぶつかりそうなときの対応
発作が起きたときは、家具を動かそうとして本人を無理に押さえつけるのではなく、周囲の危険物を離すことを優先します。家具が倒れそうな場合を除き、発作中に大きな家具を動かすのは避けてください。
- 硬い家具の角やガラス製品などを本人から遠ざける
- 頭の下に柔らかい物を置く
- 首元をゆるめ、けいれんを無理に止めない
- 口の中に物や指を入れない
- 発作が終わるまで、発作が始まった時刻と続いた時間を確認する
発作が治まった後は、呼吸を確認し、可能であれば体を横向きにして気道を確保します。発作が長く続く、繰り返して意識が戻らない、呼吸が戻らない、強く頭を打った、出血や大きなけががある場合は、地域の救急番号に連絡してください。
てんかんのある人向けに特に見直したい場所
| 場所 | 見直すポイント |
|---|---|
| 寝室 | ベッドの周囲から背の高い家具、ガラス製品、硬い角のある物を遠ざける |
| リビング | ローテーブルやテレビ台を固定し、床のコードや小物を整理する |
| 廊下・通路 | 家具を置かず、避難や介助のための幅を確保する |
| キッチン | 倒れやすい棚を固定し、包丁や割れ物を手の届きやすい場所に置かない |
| 浴室・洗面所 | 転倒しやすい家具を置かず、硬い角や滑りやすい物を減らす |
家具の固定だけでなく発作時の対応も決めておく
家族や同居人がいる場合は、発作が起きたときに家具の危険物をどける人、時間を測る人、救急要請を判断する人をあらかじめ決めておくと対応しやすくなります。
主治医から発作時の対応や救急受診の目安を説明されている場合は、その指示を優先してください。発作の種類や転倒の有無によって必要な対策が異なるため、家具の配置や固定方法に不安があるときは、診察時に生活環境の相談をするのも方法です。
最初に行うことは、ベッドや普段過ごす場所の周囲にある背の高い家具と硬い家具を確認し、転倒防止器具で壁に固定することです。そのうえで家具の角、ガラス製品、コード類を減らし、発作時に本人を傷つけにくい空間を作ります。







