てんかん発作による窓からの転落を防止するには?

てんかん発作による窓からの転落を防止するには?

てんかん発作による窓からの転落を防ぐには、窓の開き幅を制限し、転落しにくい環境を作ることが基本です。窓の鍵だけに頼らず、家具の配置を変え、発作時の対応を家族や同居者で決めておきます。

まず行う窓からの転落防止対策

最初に、発作が起きたときに窓へ近づいたり、窓から外へ倒れたりしない状態にします。

  • 窓の補助錠や開き止めを使い、子どもや本人が簡単に外せないようにする
  • 窓の開く幅を、頭や体が通り抜けない範囲に制限する
  • 窓の近くから、ベッド、椅子、ソファ、棚など足場になる家具を移動する
  • 窓際に置いた家具を固定し、上に乗ったり寄りかかったりできないようにする
  • 窓ガラスが割れた場合に備え、窓の近くに硬い家具や尖った物を置かない
  • 発作が起きやすい時間帯は、窓のある部屋で一人にならないようにする

網戸は転落防止設備として扱えません。網戸やカーテンだけでは、体重や発作時の衝撃を支えられないためです。

窓の開き幅を制限する方法

窓の種類や住まいの状況に応じて、補助錠、窓ストッパー、開き止め、転落防止用の窓ガードなどを検討します。重要なのは、発作中に体が窓の外へ出ない強度と構造があることです。

取り付ける前に、次の点を確認してください。

  • 窓枠にしっかり固定できるか
  • 発作時の衝撃や体重に耐えられる製品か
  • 本人が簡単に解除できないか
  • 火災や災害時に、避難経路をふさがないか
  • 賃貸住宅で、取り付けや穴あけが認められているか

窓を完全にふさぐ柵や格子は、転落防止になる一方で、火災時の避難を妨げることがあります。避難に使う窓では、内側から開けられる構造や、地域の消防・建築上の条件を確認してください。自作の柵を取り付けるより、窓の種類に合った製品を選び、必要なら施工業者に相談するほうが安全です。

発作が起きたときに窓の近くにいた場合

発作中は、無理に押さえつけたり、手足の動きを止めたりしないでください。ただし、窓や階段など明らかな危険がすぐ近くにある場合は、周囲の人が安全を確保できる範囲で危険から離します。

  1. 発作の開始時刻を確認する。
  2. 窓、家具、硬い物、熱い物など、ぶつかる危険がある物を周囲から離す。
  3. 倒れそうな場合は、可能な範囲で床へゆっくり移し、頭の下に柔らかい物を置く。
  4. 衣服の首元をゆるめ、けいれんが止まるまでそばで見守る。
  5. 口に物を入れたり、水や薬を飲ませたりしない。
  6. けいれんが止まったら、呼吸を確認し、眠っている場合は回復体位など安全な姿勢にする。

窓の外へ転落する危険が差し迫っている場合でも、介助する人が一緒に転倒しないことが大切です。複数人で対応できるなら協力し、危険が大きい場合は無理をせず119番通報してください。

119番通報が必要なケース

次のような場合は、救急車を呼ぶことを検討するのではなく、速やかに119番へ通報してください。

  • 窓や高所から転落した、または転落した可能性がある
  • 頭を強く打った、出血している、骨折が疑われる
  • 呼吸が苦しそう、意識が戻らない、発作後も反応が悪い
  • けいれんが長く続いている
  • 発作が繰り返し起き、意識が戻らない
  • 水中で発作が起きた、または大きなけががある

発作が何分続いたら救急車を呼ぶかは、主治医から受けている指示を優先します。本人の発作対応計画や救急時の薬がある場合は、処方どおりに使用してください。救急時の薬を自己判断で追加したり、他人の薬を使ったりしてはいけません。

再発を減らすために主治医と決めておくこと

窓の対策だけで、てんかん発作そのものを防ぐことはできません。転落歴がある、発作中に歩き回る、意識を失って倒れるといった場合は、次回の診察を待たずに主治医へ相談する必要があることもあります。

診察では、次の内容を伝えると対策を考えやすくなります。

  • 発作が起きた日時と、発作前後の様子
  • 意識を失ったか、歩き回ったか、転倒したか
  • 発作が何分続いたか
  • 窓や階段など、危険な場所に近づくことがあるか
  • 薬の飲み忘れ、睡眠不足、発熱など発作前の状況

主治医と、発作時に一人にしない時間帯、避ける場所、救急車を呼ぶ基準、家族の役割を具体的に決めておきましょう。必要に応じて、家の窓だけでなく、階段、浴室、玄関、ベランダも同じように確認します。

賃貸住宅や高層階での注意点

賃貸住宅では、窓の補助錠や柵を取り付ける前に、管理会社や貸主へ確認してください。高層階では、窓の開き幅を制限する対策を優先し、ベランダへ出る窓も含めて管理します。

ただし、避難に使う窓やベランダの出入口を完全に固定すると、火災時などに逃げられなくなるおそれがあります。転落防止と避難の両方を満たす方法を、管理会社や施工業者、必要に応じて消防機関へ確認してください。

てんかん発作による転落を防ぐための確認ポイント

最初に行うことは、窓の近くの家具を移動し、窓の開き幅を制限できる製品を確認することです。そのうえで、発作時に誰がどのように安全を確保するかを主治医や家族と決めます。

  • 窓の鍵だけでなく、開き幅と製品の強度を確認する
  • 網戸を転落防止設備として使わない
  • 避難経路をふさぐ固定具を選ばない
  • 発作中は押さえつけず、危険物を遠ざける
  • 転落、重いけが、呼吸異常、長い発作があれば119番通報する
  • 転落歴や危険な行動がある場合は、主治医に具体的に伝える