てんかん発作による階段での転倒を防ぐ方法は?

てんかん発作による階段での転倒を防ぐ方法は?

てんかん発作による階段での転倒を防ぐには、発作が起きる可能性があるときに階段へ近づかないことと、階段まわりの環境を整えることが基本です。発作の前兆、起こりやすい時間帯、意識を失う発作の有無によって対策は変わるため、主治医と具体的な行動計画を決めておきましょう。

階段での転倒を防ぐ基本的な方法

階段を使う必要がある場合は、手すりを使い、急がず、足元が見える状態で移動します。ただし、発作の前兆があるときや、意識がぼんやりすることがある場合は、階段を歩き続けないでください。

  • 前兆を感じたら、階段の手前で立ち止まり、座るか横になる
  • 階段の上り下り中に違和感があれば、無理に移動せず、近くの人に助けを求める
  • 階段では手すりを使い、荷物やスマートフォンを持ったまま移動しない
  • 暗い時間帯は照明をつけ、段差が見えるようにする
  • 階段や踊り場に荷物、マット、コードなどを置かない
  • 滑りやすい靴下や、裾が階段に触れる衣服を避ける

前兆がないまま突然意識を失う発作がある人は、注意だけで転倒を防ぐのが難しい場合があります。階段を使う回数を減らせるよう、生活する階をまとめる、寝室やトイレの位置を見直すなど、移動経路そのものを変更する方法も検討します。

階段まわりの環境を安全にする

環境整備では、転倒したときの高さや硬い物との衝突を減らすことが重要です。家庭の階段を確認し、本人だけでなく家族も同じ対策を取れるようにします。

  • 階段の上と下に十分な明るさの照明を設置する
  • 手すりがしっかり固定されているか確認する
  • 段の先端が見えにくい場合は、滑りにくく段差を確認しやすい対策を検討する
  • 階段の近くにガラス製品、家具の角、硬い置物を置かない
  • 階段の上部や下部に、必要に応じて安全ゲートを設置する
  • 家族や同居人が発作時の対応を知っておく

安全ゲートは、本人がまたいで通る必要があるタイプだと、かえってつまずくことがあります。使用する場合は、本人の年齢、発作の特徴、開閉方法を考え、日常の移動を妨げない製品や設置方法を選びます。

発作の前兆がある場合の行動を決めておく

前兆がある人は、前兆を感じた時点で階段から離れて安全な姿勢を取ることが、転倒防止につながります。前兆の内容は人によって異なるため、本人が実行しやすい短い手順にしておきます。

  1. 足を止め、階段の上り下りを中止する
  2. 近くの壁や手すりにつかまるのではなく、可能なら安全な場所に座る
  3. 周囲の人に「発作の前兆がある」と伝える、または決めておいた連絡方法を使う
  4. 意識がはっきりするまで立ち上がらない
  5. 落ち着いた後も、ふらつきやけががないか確認する

「座る」「横になる」「家族に連絡する」などの行動を、家族や学校、職場の人と事前に共有しておくと、本人が説明できないときにも対応しやすくなります。

発作中に階段で倒れたときの対応

階段で発作が始まった場合は、無理に押さえつけたり、口に物を入れたりしないでください。まず周囲の危険を減らし、発作が終わった後に呼吸とけがを確認します。

  1. 周囲の人を呼び、階段からの転落や硬い物への衝突など、さらなる危険を減らす
  2. 可能な範囲で頭の下に柔らかい物を置く
  3. 体を押さえつけず、口の中に指や物を入れない
  4. 発作の時間を測る
  5. けいれんが落ち着いたら、呼吸を確認し、呼吸がある場合は可能なら体を横向きにする
  6. 発作後に意識が戻るまでそばにいて、立ち上がらせない

階段の途中などで倒れた人を、危険がないのに無理に引きずったり起こしたりすると、けがを広げるおそれがあります。一方、転落が続く、火や車など別の危険がある場合は、安全確保を優先して移動させます。移動に迷うほどのけがが疑われる場合は、救急要請時に倒れた場所と状況を伝えてください。

救急車を呼ぶべきケース

発作が5分以上続く、短時間に繰り返して意識が戻らない、呼吸が戻らない、階段から転落して強く頭を打った場合は、救急車を呼ぶ必要があります。初めての発作、重いけが、発作後も意識や呼吸が回復しない場合も、救急要請を検討します。

救急隊には、発作が始まった時刻、続いた時間、けいれんの様子、転落や頭部打撲の有無、使用中の薬を伝えます。意識が十分に戻っていない人に水や薬、食べ物を無理に与えないでください。

主治医に相談するときに伝えること

階段での転倒を繰り返す場合や、発作の型が変わった場合は、自己判断で薬を増減せず、主治医に相談してください。発作を抑える治療だけでなく、生活環境や移動方法を含めて対策を考える必要があります。

  • 発作が起きた日時と場所
  • 階段の上り下り中だったか、階段の近くで倒れたか
  • 前兆の有無
  • 意識を失っていた時間や、けいれんの長さ
  • 転落、頭部打撲、出血、骨折、強い痛みの有無
  • 薬の飲み忘れ、睡眠不足、発熱など発作前の状況

可能であれば、家族が発作の様子を記録します。ただし、記録のために本人の安全確保を遅らせてはいけません。

てんかん発作による階段の転倒を防ぐための判断

前兆がある場合は、階段に入らず座ること、前兆がない発作がある場合は、階段を使う機会を減らし、家族と環境対策を行うことが基本です。階段で発作を起こした、転倒した、発作の回数や症状が変わった場合は、次の受診を待たず主治医へ相談してください。