てんかん発作の相談先は、発作の緊急度や年齢によって変わります。今も発作が続いている、意識が戻らない、けがや呼吸の異常がある場合は、相談窓口を探すより先に119番へ連絡してください。
緊急性がない場合は、まずはかかりつけ医や脳神経内科、脳神経外科、小児科に相談します。診断や治療を専門的に受けたいときは、てんかんを診療する専門医療機関や、地域のてんかん診療拠点機関が候補になります。
てんかん発作の主な相談先リスト
| 相談先 | 相談できること | 向いているケース |
|---|---|---|
| 救急車(119番) | 発作中の緊急対応、救急搬送 | 発作が長く続く、意識が戻らない、呼吸が苦しそう、けがをした場合 |
| かかりつけ医 | 発作の状況確認、受診先の紹介、服薬や持病の相談 | 初めて発作が起きた、受診先に迷っている場合 |
| 脳神経内科 | 発作の原因の検査、てんかんの診断、薬物治療 | 成人の発作や、てんかんの可能性を詳しく調べたい場合 |
| 脳神経外科 | 検査、薬による治療、手術を含む専門的な治療の相談 | 薬で発作を抑えにくい場合や、専門的な評価を受けたい場合 |
| 小児科・小児神経を診療する医療機関 | 子どもの発作、発達との関係、成長に合わせた治療 | 乳幼児や小学生など、子どもの発作が疑われる場合 |
| てんかん専門医療機関・診療拠点機関 | 専門的な検査、診断、治療方針の検討 | 診断がはっきりしない、発作が繰り返す、治療を見直したい場合 |
| 保健所・保健センター | 地域の医療機関や福祉サービスに関する案内 | 医療機関以外の地域の相談窓口も知りたい場合 |
| 学校・職場の相談窓口 | 発作時の対応、服薬や安全確保、周囲への伝え方 | 学校生活や仕事中の発作について調整したい場合 |
| てんかん患者・家族の支援団体 | 生活上の工夫、家族の悩み、当事者同士の情報交換 | 診療以外の生活情報や、家族の支えが必要な場合 |
発作中は119番に相談するべき?
次のような場合は、救急車を呼ぶことを検討してください。特に、本人が普段から発作を起こしている場合でも、いつもと違う症状があれば救急相談が必要です。
- けいれんが5分以上続いている
- 発作がいったん止まっても、意識が戻る前に繰り返している
- 発作後も意識が戻らない、または呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しそう、顔色や唇の色が悪い
- 頭を強く打った、出血した、骨折が疑われる
- 水中や高所、道路上など危険な場所で発作が起きた
- 初めて発作を起こした
- 妊娠中、糖尿病などの持病がある
発作中は、周囲の硬い物や危険な物を遠ざけ、頭の下に柔らかい物を置きます。けいれんを無理に止めたり、口の中に物や指を入れたり、水や薬を飲ませたりしてはいけません。
可能であれば、発作が始まった時刻、続いた時間、発作の様子、発作後の意識の戻り方を記録してください。安全を確保したうえで撮影できる場合は、医師が診断の参考にできることがありますが、撮影のために本人を危険な状態にしてはいけません。
初めて発作が起きたときの相談先
初めて発作が起きた場合は、てんかんとは限りません。失神、低血糖、脳の病気、薬やアルコールの影響など、別の原因でも似た症状が起こるため、自己判断せず医療機関で確認します。
緊急症状がなければ、次の順番で相談すると整理しやすくなります。
- 発作が起きた日時と、続いた時間を記録する。
- 発作前の体調、睡眠不足、発熱、飲酒、服薬状況などを整理する。
- 発作を見た人がいれば、意識、けいれんの部位、目や顔の向き、発作後の様子を聞く。
- かかりつけ医、脳神経内科、脳神経外科、小児科のいずれかに受診を相談する。
- 医療機関の案内に従い、脳波検査や画像検査などを受ける。
発作のように見えても、意識を失わず体の一部だけが動くことがあります。反対に、けいれんがなくても意識が途切れる発作があります。見た目だけで判断せず、発作の前後を含めて医師に伝えることが大切です。
発作が繰り返すときはどの診療科に行く?
成人は脳神経内科が基本的な相談先です。脳神経外科でも、てんかんの検査や治療を行っている医療機関があります。子どもは小児科や小児神経を専門とする医療機関に相談します。
診療科名だけで判断できない場合は、予約前に「発作の診察や脳波検査に対応しているか」「てんかんを専門に診療している医師がいるか」を医療機関へ確認してください。紹介状が必要か、初診を受け付けているかも併せて確認します。
薬を飲んでいても発作が起きる場合
薬を飲んでいるのに発作が起きる場合は、自己判断で薬を増減したり、中止したりせず、処方した医師に相談してください。飲み忘れ、睡眠不足、発熱、ほかの薬との併用などが発作に関係することもありますが、原因は人によって異なります。
次の情報を持参すると、治療の見直しに役立ちます。
- 発作が起きた日時と回数
- 発作が続いた時間
- 発作の具体的な症状
- 薬を飲んだ時刻と飲み忘れの有無
- 発作前の睡眠、発熱、体調の変化
- 発作後に意識や体調が戻るまでの時間
薬を適切に使っていても発作が続く場合は、専門医療機関で診断や治療方針を見直すことがあります。専門機関への紹介が必要か、現在の主治医に相談してください。
生活や学校・仕事の相談はどこにする?
診断や薬の相談は医療機関、学校や仕事中の安全対策は学校・職場の担当者に分けて相談します。主治医に、発作時に周囲が行う対応や避けるべき行動を確認し、必要な範囲で共有すると調整しやすくなります。
子どもなら担任、養護教諭、校長や学校の相談担当者、成人なら上司、人事、産業医などが相談先になります。発作の頻度や対応方法、救急車を呼ぶ目安、服薬の扱いなど、本人の同意を得たうえで具体的に伝えます。
医療費、障害福祉サービス、就労、家族の負担などの相談は、自治体の障害福祉担当窓口や保健所・保健センターで案内を受けられる場合があります。ただし、利用できる制度や条件は自治体や本人の状況によって異なるため、窓口で確認してください。
相談前に準備しておくとよい情報
相談先にかかわらず、発作の情報を具体的に伝えると判断しやすくなります。次の項目をメモしておきましょう。
- 発作が起きた日時、場所、状況
- 発作の前に感じた症状
- 意識があったか、呼びかけに反応したか
- 体のどの部分が、どのように動いたか
- 発作が何分続いたか
- 発作後に眠ったか、混乱したか、普段どおりに戻ったか
- 服用中の薬、持病、アレルギー
- 発作を見た人の説明や、安全に撮影できた動画
今まさに発作が続いている、意識や呼吸に異常がある場合は119番、緊急性がなければかかりつけ医や脳神経内科などへ相談します。子どもは小児科、専門的な診断や治療の見直しには、てんかんを診療する専門医療機関が候補です。







