てんかん発作後の水分補給は、意識が十分に戻り、飲み込める状態になってから行います。発作直後や眠気が強い間は、容器の種類にかかわらず水を飲ませてはいけません。誤嚥(ごえん:飲み物が気管に入ること)につながるためです。
発作後の水分補給に向いている容器
本人が完全に目を覚まし、姿勢を保って指示どおりに飲み込めるなら、少量を調整しやすい、広口で持ち手のある軽いコップが使いやすい容器です。
- 中身が見える透明または半透明のコップ
- 持ち手があり、手の力が弱くても持ちやすいもの
- 一度に大量に出にくい、安定した形のもの
- 口当たりが滑らかで、倒れにくいもの
最初はコップに少量だけ入れ、本人が自分で持てない場合は、介助者がゆっくり傾けます。口の中へ一気に流し込んだり、本人の意思に反して飲ませたりしないでください。
水分を飲ませてよい状態かの判断
発作が終わって動けるようになっただけでは、すぐに飲ませてよいとは限りません。次のような状態を確認してからにします。
- 呼びかけに普段どおり反応し、会話や指示ができる
- 眠気が強くなく、座った姿勢を保てる
- むせたり、せき込んだりしていない
- 口の中に唾液や分泌物がたまっていない
- 飲み込みに問題があると医療機関から指摘されていない
飲み始めは一口程度にとどめ、せき、むせ、声が濡れたように変わる、呼吸が苦しそうになるといった変化があれば中止します。これらがある場合は、無理に水分を続けず、医療機関へ相談してください。
発作直後は水分補給より安全確保を優先する
発作中や発作直後に意識がはっきりしない場合は、水、経口補水液、薬、食べ物などを口に入れないでください。ペットボトルやストロー付き容器でも、安全に飲めるとは限りません。
- 周囲の硬い物や危険な物を遠ざける。
- 発作が治まったら、呼吸を確認する。
- 意識が戻るまで、衣服をゆるめて横向きにする。
- 意識がはっきりし、飲み込みを確認できるまで飲食させない。
- 発作が始まった時刻、続いた時間、発作後の状態を記録する。
口に物を入れたり、舌を押さえたり、無理に起こしたりするのは避けます。発作後も反応が戻らない、呼吸が正常でない、発作が5分以上続く、短時間に繰り返す、けがをしている、初めての発作であるといった場合は、救急車を要請してください。
ストローやペットボトルは使える?
ストローや吸い口付きボトルは、吸う力や飲み込む力が十分で、医療者から使用を止められていない場合に使えることはあります。ただし、発作後は飲み込むタイミングや量を調整しにくいことがあるため、最初の水分補給には、少量を確認しながら飲めるコップのほうが扱いやすいでしょう。
握ると水が勢いよく出るボトルや、口を上向きにしないと飲めない容器は、一度に多く流れ込むおそれがあります。本人が手を震わせている、眠気がある、姿勢が不安定といった場合は使用を控えてください。
飲み込みに不安がある人は主治医の指示を優先する
発作後に毎回むせる、飲み物でせき込む、脳の病気や嚥下障害(飲み込む機能の障害)がある場合は、容器だけで解決できないことがあります。主治医や訪問看護師、言語聴覚士などに、飲ませるタイミングや適した容器、とろみの必要性を確認してください。
判断に迷う場合の優先順位は、発作直後は飲ませない、意識と呼吸を確認する、飲める状態になってから少量ずつ試すです。容器は広口で持ちやすいコップを基本にし、むせや意識の低下があるときは水分補給を中止します。







