てんかん発作後の着替えには、前開きの衣類、吸水シート、使い捨て手袋、からだ拭き、ビニール袋などが使えます。発作中は無理に服を脱がせず、発作が収まって意識や呼吸を確認できてから、本人の負担とプライバシーに配慮して着替えを行ってください。
発作後の着替えに使える用品
| 用品 | 使い道 | 選ぶときのポイント |
|---|---|---|
| 前開きのシャツ・パジャマ | 腕や頭を大きく動かさずに着替えさせる | ボタンや面ファスナーで大きく開くもの。締め付けが少ないもの |
| ウエストがゴムのズボン | ズボンの上げ下ろしをしやすくする | ひもが長すぎず、きつくないもの |
| 吸水シート・防水シーツ | 尿や汗で寝具が濡れるのを防ぐ | 寝床に敷ける大きさで、ずれにくいもの |
| 使い捨て手袋 | 排せつ物や汚れた衣類を扱う | 手首まで覆えるサイズ。使い捨てできるもの |
| からだ拭き・ぬるま湯・柔らかいタオル | 皮膚の汗や汚れを拭き取る | 刺激が少なく、香料が強くないもの |
| 着替え用の下着・衣類 | 濡れたり汚れたりした衣類を交換する | 普段から着慣れていて、肌触りがよいもの |
| ビニール袋・ふた付きの洗濯かご | 汚れた衣類や手袋を分けて入れる | 漏れにくく、口を閉じられるもの |
発作後は意識がぼんやりしていたり、体に力が入りにくかったりすることがあります。そのため、衣類のデザインよりも脱ぎ着のしやすさと本人を動かす量の少なさを優先します。
特に用意しやすい着替えの組み合わせ
まずは、次の組み合わせをひとまとめにしておくと、急な着替えに対応しやすくなります。
- 前開きのシャツまたはパジャマ
- ゴムウエストのズボン
- 下着と靴下の予備
- 吸水シートまたは防水シーツ
- 使い捨て手袋
- からだ拭きと乾いたタオル
- 汚れた衣類を入れる袋
外出時は、衣類一式を防水袋に入れ、からだ拭きや袋と一緒に持ち歩くと使う用品を探しやすくなります。必要な枚数は、発作の起こる頻度や失禁の有無、外出時間によって変わるため、まずは着替え1組から準備し、使用状況に合わせて増やします。
発作後に着替えさせる手順
着替えは、発作が止まり、呼吸や意識の状態を確認してから行います。本人がまだ混乱している場合は、急いで全身を着替えさせず、濡れた部分を拭いてタオルをかけるなど、必要な対応を先にします。
- 発作が止まったことを確認する。呼吸が苦しそうでないか、呼びかけへの反応があるかを確認します。
- 周囲を整える。硬い物を遠ざけ、本人の体を無理に押さえつけないようにします。着替えの際は、カーテンやタオルでプライバシーを守ります。
- 手袋を着ける。尿や便、血液などで衣類が汚れている場合は、使い捨て手袋を使用します。
- 濡れた部分や汚れた部分を確認する。全身を動かす必要がなければ、まず下着や衣類の必要な部分だけを交換します。
- 前開きの衣類に着替えさせる。本人が座れる状態なら、転倒しないよう支えながら行います。まだふらつく場合は、立たせずに行います。
- 皮膚をやさしく拭いて乾かす。こすらず、ぬるま湯や肌への刺激が少ない用品を使います。
- 汚れた用品を袋に入れて手を洗う。使用後は衣類を分けて入れ、手袋を外した後に手を洗います。
着替えを急がないほうがよい場面
発作直後に本人が眠っている、呼びかけへの反応が乏しい、体を動かすと強く抵抗する場合は、無理に着替えさせないほうが安全です。濡れた衣類をすぐに全部交換するより、呼吸を妨げない姿勢を保ち、体が冷えないように掛け物を使って見守ることを優先します。
本人が意識を取り戻しても、発作後の混乱で不安になったり、介助を拒んだりすることがあります。短い言葉で「発作は終わった」「濡れた服だけ替える」と伝え、できる部分は本人に任せてください。
発作中に服を脱がせてもよい?
発作中に、着替えのために服を脱がせる必要は通常ありません。体を押さえたり、口に物を入れたり、無理に移動させたりしないでください。首元がきつく、呼吸を妨げている場合に限り、衣類をゆるめるなど、必要最小限の対応をします。
発作が長く続く、いったん止まっても繰り返す、呼吸が戻らない、発作中に大きなけがをしたなどの場合は、着替えより救急対応を優先してください。発作が続いた時間や、発作後の様子を記録して、救急隊や主治医に伝えます。
用品を選ぶときの注意点
衣類は、首や手首、足首を強く締め付けないものを選びます。ひもや装飾品が多い衣類は、着替えや介助の妨げになることがあるため、シンプルなものが扱いやすいでしょう。
吸水シートや防水シーツは、本人の肌に直接触れるのか、寝具の上に敷くのかを分けて選びます。肌に長時間触れる場合は、蒸れやかぶれがないかを確認し、濡れたままにしないことが大切です。
発作後の失禁が毎回起こるとは限りません。まずは普段の発作で必要になった用品を記録し、着替えの回数や皮膚の状態に合わせて準備する用品を見直してください。
発作後の着替え用品は、前開きの衣類、ゴムウエストのズボン、吸水・防水用品、手袋、からだ拭き、予備の下着、汚れ物用の袋を基本にすると準備しやすくなります。最初に、本人が着慣れた衣類1組と衛生用品を袋にまとめ、発作が収まって呼吸と意識を確認してから、必要な範囲だけ着替えさせてください。







