てんかん発作時に手袋は、通常は必要ありません。発作を止めるために手袋を着ける必要はなく、手袋を着けても舌をかむことや、けいれんを防ぐことはできません。まずは周囲の危険を取り除き、発作の時間を測ることが大切です。
手袋が役立つのはどのような場合か
発作中に手袋を使うかどうかは、介助する人の衛生上の判断です。唾液、嘔吐物、血液などに触れる可能性がある場合は、使い捨ての手袋を着けると接触を減らせます。
- 手袋がなくても、発作への対応はできます。
- 手袋を着けるために、対応を始めるのを遅らせないでください。
- 外した後は手を洗い、手袋の表面で顔や周囲の物に触れないようにします。
- 手袋を着けても、唾液や血液への接触を完全に防げるとは限りません。
医療従事者が手袋などの個人防護具を使う場合と、家族や周囲の人が応急対応をする場合では、必要な装備が異なります。家庭での見守りに、専用の手袋を常備しなければならないという意味ではありません。
手袋より優先する発作時の対応
けいれんを伴う発作では、本人を押さえつけたり、口に物を入れたりしないことが重要です。次の順番で対応します。
- 時計やスマートフォンで、発作が始まった時刻を確認します。
- 近くにある家具、ガラス、刃物、熱い物などを本人から離します。
- 頭の下に柔らかい物を置き、眼鏡やネクタイなど、けがにつながる物を外します。
- けいれんを止めようとして、体や手足を押さえつけないでください。
- 口に指、タオル、スプーン、水、薬などを入れないでください。
- けいれんが止まったら、呼吸を妨げないように体を横向きにし、そばで様子を見ます。
口に手を入れると、本人にかまれるだけでなく、介助する人がけがをすることがあります。手袋を着けても、口の中に手を入れてはいけません。
救急車を呼ぶ目安
次のような場合は、発作の時間を伝えられるようにしながら、119番への通報を検討してください。本人にあらかじめ主治医から対応方法を指示されている場合は、その指示を優先します。
- けいれんが5分以上続く
- 発作が繰り返され、意識や呼吸が戻らない
- 初めて起きた発作である
- 発作中に頭を強く打つなど、大きなけがをした
- 発作後も呼吸が苦しそう、または呼吸が戻らない
- 水中で発作が起きた
- 妊娠中、糖尿病があるなど、特に注意が必要な状態である
救急隊には、発作が始まった時刻、けいれんが続いた時間、発作が繰り返したか、呼吸やけがの状態を伝えます。可能であれば、本人の処方薬や発作時の指示書も確認します。
手袋を使うか迷ったときの判断
手袋があれば衛生対策として使い、なければ素手で安全確保を優先して問題ありません。ただし、発作中の本人を押さえつける、口に物を入れる、発作を止めるために手袋を使う、といった対応は避けてください。
判断に迷う場合は、発作の時間を測りながら、本人の安全確保と呼吸の確認を優先します。てんかんと診断されている人は、家族や周囲の人が主治医から発作時の対応や救急受診の基準を聞いておくと、手袋の有無にかかわらず落ち着いて対応しやすくなります。







