てんかん救急情報カードの内容と使い方は?

てんかん救急情報カードの内容と使い方は?

てんかん救急情報カードは、発作が起きたときに、周囲の人や救急隊へ「てんかんの情報」「普段の発作の特徴」「必要な対応」を伝えるためのカードです。全国共通の記載様式が決まっているとは限らないため、主治医の指示に沿って、本人に必要な情報を簡潔にまとめることが大切です。

てんかん救急情報カードに書く内容

カードには、発作中の対応を判断するために必要な情報を記載します。個人情報を載せすぎず、救急時に役立つ内容を優先してください。

  • 氏名、生年月日、緊急時に連絡してほしい人
  • 「てんかん」であること
  • 普段の発作の種類と、発作が続くおおよその時間
  • 発作が起きたときの普段の様子
  • 服用中の抗てんかん薬の名前、用量、服用回数
  • 薬や食べ物などのアレルギー
  • 主治医や通院先の名前、電話番号
  • 発作時に使う薬がある場合は、その薬の名前と使用方法
  • 「発作の時間を測る」「危険物を遠ざける」など、周囲にしてほしい対応
  • 避けてほしい対応

発作時に使う薬については、自己判断で追加する量や回数を書かず、主治医から指示された内容だけを記載します。薬を使う人、使える条件、使用後に連絡する先なども、医療者の指示に合わせてください。

カードの使い方は「携帯・提示・更新」の3段階

カードは持っているだけでなく、発作時に周囲が見つけられ、記載内容を実行できる状態にしておきます。

  1. 常に携帯する
    財布、定期入れ、障害者手帳のケースなど、普段から確認しやすい場所に入れます。かばんの中に入れる場合は、カードがどこにあるか家族や支援者にも伝えておきます。
  2. 発作が起きたらカードを確認してもらう
    本人がカードを取り出せない場合に備え、家族、学校、職場、介護・福祉の支援者へ保管場所を伝えます。スマートフォンの緊急時情報を使う場合も、表示方法を周囲と確認しておきます。
  3. 内容を定期的に更新する
    薬の変更、主治医や連絡先の変更、発作の特徴の変化があったときは書き換えます。古い薬の情報が残っているカードは、救急時の判断を誤らせるおそれがあります。

発作が起きたときに周囲がすること

発作中は、まず時計やスマートフォンで発作の開始時刻を確認します。多くの発作は自然に止まりますが、けがや呼吸の妨げを防ぎながら、発作の長さと様子を記録します。

  • 周囲の硬い物、熱い物、刃物などを遠ざける
  • 頭の下に柔らかい物を置く
  • 眼鏡や首元を締め付ける物を外す
  • 無理に押さえつけない
  • 口の中に指、箸、タオル、水、薬などを入れない
  • 意識が戻るまで無理に立たせたり、飲食させたりしない
  • けいれんが止まり、呼吸がある場合は、可能なら体を横向きにする

発作中に口から薬や水を飲ませると、誤って気道に入る危険があります。発作時の薬が処方されている場合も、カードや主治医の指示に従い、使用条件を満たしているときだけ対応します。

119番通報を考える目安

次のような場合は、カードの記載内容を確認しながら119番へ通報します。通報するか迷う場合も、発作の長さ、呼吸、けがの有無を救急隊に伝えて相談してください。

  • 発作が5分以上続いている
  • 発作が繰り返され、発作と発作の間に意識が戻らない
  • 発作が終わっても呼吸が戻らない、または呼吸が苦しそう
  • 転倒などで頭を強く打った、出血した、重いけがをした
  • 水中で発作が起きた
  • 初めて起きた発作で、てんかんかどうか分からない
  • 妊娠中、糖尿病など、特に注意が必要な状態にある

発作が止まった後も、意識が戻らない、呼吸が不安定、普段と明らかに違う場合は救急要請が必要になることがあります。カードに「普段の発作なら何分程度で、発作後はどのように戻るか」を書いておくと、普段との違いを判断しやすくなります。

カードを作るときの注意点

救急情報カードの内容は、主治医や薬剤師に確認してから決めると安全です。特に、発作の種類、発作時に使う薬、救急車を呼ぶ基準は、本人によって異なります。

カードには、必要な人だけが読めるよう、住所や詳しい病歴などをむやみに載せない方法もあります。一方で、救急隊が本人を特定できる氏名、連絡先、病名、服薬情報は、救急時に役立つため、本人や家族で記載範囲を相談してください。

学校や職場、外出先で発作が起きる可能性がある場合は、カードの保管場所と対応方法を、本人の同意を得たうえで周囲に共有します。カードだけに頼らず、実際の対応を家族や支援者と練習しておくことも大切です。

てんかん救急情報カードを使うときの要点

カードには、病名、普段の発作、服薬、緊急連絡先、発作時の対応を簡潔に書き、常に携帯します。発作が起きたら時間を測り、周囲の安全を確保し、口に物を入れたり無理に押さえつけたりしないでください。

5分以上続く、繰り返して意識が戻らない、呼吸やけがに問題がある場合は119番通報が基本です。カードの内容は薬や主治医の変更時に更新し、記載内容を主治医の指示と一致させておきましょう。