てんかんで一人暮らしをする場合の緊急通報方法は?

てんかんで一人暮らしをする場合の緊急通報方法は?

てんかんで一人暮らしをしている人が緊急通報する場合は、意識が保たれている前兆の段階で119番へ電話するのが基本です。発作中は自分で通報できないことがあるため、スマートフォンの緊急SOS、見守りサービス、近隣の連絡先などを事前に準備しておくと、周囲から通報してもらいやすくなります。

てんかん発作で119番に通報する目安

次のような場合は、救急車を呼ぶことを検討してください。判断に迷う場合や、普段と違う発作の場合は119番に相談できます。

  • けいれんが5分以上続いている
  • 発作がいったん止まっても、意識が戻る前に繰り返している
  • 発作の後も呼びかけへの反応が戻らない、または呼吸が苦しそう
  • 発作中に頭を強く打った、出血した、やけどをしたなどのけががある
  • 水中で発作が起きた
  • 初めて起きた発作、またはこれまでと明らかに違う発作である
  • 妊娠中、糖尿病など、発作以外にも緊急性が考えられる状態がある

発作の長さや意識の戻り方だけでは緊急性を判断しにくいことがあります。持病や服薬状況を把握している主治医から、あらかじめ「どの状態で救急車を呼ぶか」を確認しておくことが大切です。

意識があるときの緊急通報方法

発作の前兆があり、通話できる状態なら、症状を詳しく説明しようとせず、まず119番に電話してください。通報では、次の順番で伝えると要点が伝わりやすくなります。

  1. 「てんかんの発作が起きそうです」または「発作が起きています」と伝える。
  2. 自宅の住所、建物名、部屋番号を伝える。
  3. 意識があるか、呼吸ができているか、けいれんが始まった時刻を伝える。
  4. 一人暮らしであること、玄関の施錠状況を伝える。
  5. 電話を切らず、指令員の質問に答える。

発作が始まりそうなときは、安全な場所に移動し、火、熱い飲み物、階段、浴槽、窓などから離れてください。可能なら玄関の鍵を開け、スマートフォンを手元に置き、横向きに休みます。

発作中で自分で電話できない場合の備え

発作中に通報できない可能性があるため、本人が通報する方法だけでなく、周囲が異変に気づく仕組みも用意します。

  • スマートフォンの緊急SOSや音声操作を設定する
  • 発作時に連絡する家族、友人、近隣の人を決める
  • 見守りサービスや緊急通報機器の利用を検討する
  • 主治医、服薬、発作の特徴、緊急連絡先をカードにまとめる
  • 管理会社や信頼できる近隣の人に、緊急時の連絡先を伝える
  • 定期的な安否確認の時間や方法を決める

スマートフォンの緊急SOSは、機種や設定によって操作方法、連絡先への通知、位置情報の送信方法が異なります。実際に使えるかを確認し、ロック中でも操作できるか、誤作動時にどう止めるかも試しておきましょう。

周囲の人に伝えておく内容

発作を見た人が落ち着いて対応できるよう、次の内容を紙やスマートフォンのメモにまとめておきます。

  • てんかんがあること
  • 発作が起きたときの普段の様子
  • 発作が続いた場合に119番を呼ぶ目安
  • 主治医や家族の連絡先
  • 服用している薬と、発作時に使うよう処方された薬の有無
  • 救急隊に伝えてほしい持病、アレルギー、服薬情報

発作時に使う薬が処方されている場合でも、使う量や方法は処方時の指示に従います。本人の判断だけで薬を追加したり、他人の薬を使ったりしないでください。

一人暮らしの人が発作中に安全を守る方法

発作が始まったら、周囲の危険を減らすことを優先します。けいれんを無理に止めようとせず、頭の下に柔らかい物を置き、眼鏡など外せる危険物を外します。

  • 体を押さえつけない
  • 口の中に指、箸、タオル、薬などを入れない
  • 水や食べ物を飲ませない
  • けいれんが止まるまで無理に移動させない
  • 可能なら発作の開始時刻と終了時刻を記録する

けいれんが止まった後も意識がぼんやりしている場合は、呼吸を妨げないよう衣服をゆるめ、横向きにして見守ります。呼吸がない、または正常な呼吸をしていない場合は、119番の指示を受けながら必要な対応を行います。

通報後に救急隊へ伝えること

救急隊が到着したら、発作の開始時刻、続いた時間、発作の動き、意識や呼吸の変化、けがの有無を伝えます。次の情報も、分かる範囲で準備しておくと役立ちます。

  • てんかんの診断を受けた時期
  • 最後に薬を飲んだ時刻
  • 普段の発作との違い
  • 発作時に使った薬の名前と使用時刻
  • アレルギーや他の持病
  • 主治医の名前や医療機関

薬の手帳や診察券、緊急連絡先のメモは、玄関付近や冷蔵庫など、救急隊が見つけやすい場所に置きます。ただし、個人情報を外から見える場所に貼る場合は、防犯面にも配慮してください。

発作が起きる前に決めておく緊急通報のルール

一人暮らしでは、発作が起きてから考えるのではなく、元気なときに通報のルールを決めておくことが重要です。主治医に次の点を確認し、家族や支援者にも共有します。

  • 自分の発作で救急車を呼ぶ具体的な基準
  • 発作時に使う薬の使用条件と方法
  • 発作後に一人で過ごしてよい状態か
  • 発作の記録として残す項目
  • 夜間や休日に相談する医療機関

発作の種類や症状によって、必要な対応は異なります。特に、発作が長引く、意識が戻らない、呼吸に異常がある、けがをしている場合は、自宅で様子を見続けず119番へ連絡してください。

一人暮らしでの緊急通報は、前兆があるときは早めに119番へ電話し、発作中に通報できない場合に備えて周囲から助けを呼べる仕組みを作ることがポイントです。最初に、スマートフォンの緊急SOSと緊急連絡先を設定し、主治医と救急車を呼ぶ基準を確認しておきましょう。