てんかん発作に備えた家具の角のクッション対策はどうする?

てんかん発作に備えた家具の角のクッション対策はどうする?

てんかん発作で家具にぶつかる心配がある場合は、家具の角に厚みのあるコーナークッションを固定し、家具そのものが動かないようにするのが基本です。ただし、クッションだけで発作中のけがを完全に防げるわけではありません。発作時は周囲の硬い物や倒れやすい物を移動し、頭の下に柔らかい物を置いて安全を確保します。

家具の角には厚く、外れにくいクッションを取り付ける

テーブル、ローテーブル、テレビ台、棚など、発作時に体や頭がぶつかりやすい角を優先して対策します。薄いシールだけの保護材よりも、角全体を覆う厚みのあるクッションを選び、製品の説明に従ってしっかり固定してください。

選ぶときは、次の点を確認します。

  • 角だけでなく、ぶつかる可能性がある辺も覆える
  • 簡単に外れたり、裂けたりしにくい
  • 強いにおいや、はがれた部品がない
  • 家具の材質や表面に適した固定方法である
  • 歩行や車いす、介助の邪魔にならない

両面テープで貼るタイプは、家具の表面のほこりや油分を落としてから取り付けます。貼り付け後すぐに強く引っ張らず、接着が安定するまで製品の説明どおりに待ってください。粘着力が弱い、表面がざらついている、温度や湿気の影響を受けやすいといった場合は、使用中に外れないか定期的に確認します。

クッションを付ける家具と、移動・撤去する家具を分ける

すべての家具にクッションを付けるより、発作が起きる場所と体が動く範囲を確認し、危険度の高い家具を優先すると対策しやすくなります。

家具・場所 主な対策
ローテーブルやテーブル 角・辺にクッションを付け、可能なら発作時に移動できる位置へ置く
テレビ台・棚 角を保護し、転倒しないよう壁や床に固定する
ベッド周辺 硬い角の家具を離し、通路を確保する
椅子・折りたたみ家具 倒れたり開閉したりしないか確認し、不要なら発作が起きる場所から外す
ガラス製の家具 クッションだけに頼らず、可能なら別の家具に替えるか、発作が起きる場所から移動する

ガラス、金属、石など硬くて割れやすい素材の家具は、角を覆っても衝撃や破損の危険が残ります。発作が起きる可能性のある部屋では、家具の角を保護するだけでなく、家具自体を置かない、別の部屋へ移すという方法も検討します。

家具の転倒や移動も防ぐ

発作中に体が当たると、家具が動いたり倒れたりすることがあります。特に背の高い棚、キャスター付き家具、軽いテーブルは、角のクッションとあわせて転倒・移動対策を行います。

  • 背の高い家具を壁に固定する
  • キャスターにロックをかける
  • 家具の上に重い物や割れ物を置かない
  • 家具と家具の間に体が挟まる隙間を作らない
  • 通路やベッド周辺にコードや小物を置かない

家具を固定する方法は、家具の種類や壁・床の材質によって異なります。壁に穴を開ける固定具を使う場合は、下地や取り付け方法を確認し、賃貸住宅では管理会社などに確認してください。

発作が起きたときは家具から離し、頭を守る

発作中に家具へぶつかりそうなときは、無理に体を押さえつけず、周囲の危険な物を静かに遠ざけます。可能であれば、頭の下に衣類やタオルなどの柔らかい物を置き、眼鏡を外します。

  1. 発作が始まった時刻を確認する。
  2. テーブル、椅子、硬い小物などを本人の周囲から移動する。
  3. 頭の下に柔らかい物を置く。
  4. 首元をゆるめ、呼吸を妨げないようにする。
  5. けいれんが落ち着いたら、呼吸を確認し、必要に応じて体を横向きにする。
  6. 発作が終わるまでそばにいて、発作の長さや様子を記録する。

口の中に指や物を入れたり、水や薬を飲ませたり、けいれんを止めようと押さえつけたりしてはいけません。発作が終わっていない状態で無理に移動させると、転倒や衝突につながることがあります。

救急要請が必要な場合

発作が5分以上続く、繰り返して意識が戻らない、呼吸が苦しそう、家具に強くぶつけてけがをした、水中で起きた、妊娠中に起きた場合などは、地域の救急番号へ連絡してください。初めての発作の場合や、普段と明らかに違う場合も、緊急性の判断に迷ったら救急相談や医療機関へ連絡します。

本人にあらかじめ主治医から発作時の対応や救急薬の指示がある場合は、その指示を優先します。救急薬は、指示された使い方を理解している介助者が、処方どおりに使用してください。

取り付け後は定期的に安全点検する

家具の角のクッションは、付けたままにすれば終わりではありません。次の状態があれば交換・再固定します。

  • クッションが浮いている、ずれている
  • 表面が裂けている、硬くなっている
  • 小さな部品や粘着材が外れている
  • 家具の角が露出している
  • 家具の固定具がゆるんでいる

乳幼児や、発作後に意識がもうろうとする人がいる場合は、外れたクッションを口に入れたり、部品につまずいたりしないかも確認します。安全対策の後は、実際に通る動線を歩き、クッションや固定具が介助の妨げになっていないか確認してください。

てんかん発作への家具対策は、角を厚く覆う・家具を固定する・危険な家具を移動または撤去するの3点を組み合わせることが重要です。まずは発作が起きやすい場所を確認し、頭や体がぶつかる可能性の高い家具から対策してください。