てんかん発作時の火傷防止に手袋は使える?

てんかん発作時の火傷防止に手袋は使える?

てんかん発作の火傷防止に、手袋を着けるだけでは十分な対策になりません。特に、発作中に本人の手へ手袋をはめたり、熱い物を持たせないよう手を押さえたりするのは避けてください。手袋を使うとしても、発作への対策ではなく、周囲の人が熱源を移動させるときの補助に限られます。

発作中の火傷を防ぐ基本対応

火傷を防ぐには、手袋よりも熱い物や火を本人から遠ざけ、周囲の安全を確保することが重要です。発作が始まったら、次の順番で対応します。

  1. やかん、鍋、ストーブ、電気ケトル、熱い飲み物などを、無理なく安全に移動させます。移動が危険な場合は、まず自分の安全を優先して119番へ通報します。
  2. 本人を押さえつけたり、手足の動きを止めたりせず、周囲の硬い物や尖った物を離します。
  3. 頭の下に柔らかい物を置き、眼鏡など外せる物を外します。衣服をゆるめ、発作が治まるまでそばで見守ります。
  4. 発作が治まったら、呼吸を確認し、可能なら体を横向きにします。口の中へ指、スプーン、タオルなどを入れてはいけません。

熱源を移動するときに耐熱手袋が近くにあり、着用しても対応が遅れない場合は、介助者の手を守る目的で使えることがあります。ただし、家庭用の薄い手袋や軍手が高温から手を守れるとは限らず、手袋を探すために対応を遅らせないでください。

発作中に手袋を使わないほうがよい理由

発作中に本人の手へ手袋をはめようとすると、手や指を強くつかむ、関節をひねる、発作の観察が遅れるといった危険があります。また、手袋を着けても、腕や体が熱源に触れることや、熱い液体がかかることは防げません。

  • 本人の手足を押さえない
  • 手袋や布を口に入れない
  • 発作を止めようとして水をかけない
  • 熱源を取ろうとして、本人の体を無理に引っ張らない

同じ場所で発作が起こりやすい場合は、手袋を準備するより、コンロやストーブの周囲に近づきにくくする、熱い飲み物を置く場所を変える、調理中は一人にならないなど、熱源に触れにくい環境を作ることが有効です。発作の種類や起こる場面によって適切な対策は異なるため、主治医に「どの場面で火傷の危険があるか」を具体的に伝えて相談してください。

火傷をしたときの対応

発作が治まり、本人と介助者の安全を確保できたら、火傷の状態を確認します。衣服が皮膚にくっついている場合は無理にはがさず、指輪や腕時計など締め付ける物だけ、皮膚にくっついていなければ外します。

  1. 火や熱源から離します。
  2. 可能であれば、火傷した部分を清潔な流水で冷やします。広い範囲を長時間冷やして体温が下がる場合は、冷却を続けず救急車を呼びます。
  3. 氷を直接当てたり、油や薬を塗ったり、皮膚に付いた衣服をはがしたりしません。
  4. 火傷が広い、顔・手・関節・陰部にある、皮膚が白くなっている・黒くなっている、水ぶくれが大きい、強い痛みや呼吸の異常がある場合は、119番または医療機関へ相談します。

救急車を呼ぶ目安

発作が5分以上続く、いったん止まっても繰り返す、呼吸が戻らない、意識が回復しない、転倒や火傷などのけががある、初めての発作と考えられる場合は、119番へ通報してください。通報時は、発作が始まった時刻、続いた時間、火傷やけがの有無を伝えます。

てんかん発作の火傷防止では、手袋を本人に着けるのではなく、熱源を遠ざけ、体を押さえず、発作後に火傷を確認することが基本です。手袋は介助者が熱源を安全に移動できる場合の補助にとどめ、発作中の本人への装着や拘束には使わないでください。