てんかん発作の対応に吸水タオルは使えます。ただし、発作を止めるためではなく、頭の下に敷く、口元の唾液や吐物を外側から拭く、失禁時の汚れを受けるといった補助に限ります。
タオルを口に入れたり、手足を押さえたりするのは危険です。発作中は周囲の安全を確保し、発作が始まった時刻を確認することが優先です。
吸水タオルを使える場面
吸水タオルは、次のような場面であれば使用できます。
- 頭の下に敷き、床への衝撃をやわらげる
- 口の外に出た唾液や吐物を、顔を傷つけないよう外側から拭く
- 発作後に横向きにした人の口元へ置き、液体を受ける
- 尿などで衣服や床が濡れた場合に、周囲の水分を吸い取る
- 発作後に本人の体を覆い、寒さを防ぐ
ただし、タオルを強く押し当てたり、口元をふさいだりしないでください。吸水タオルを使うために、本人の体を無理に動かす必要もありません。
発作中の正しい対応
発作中は、タオルの準備よりも、けがや窒息を防ぐことが大切です。次の順番で対応します。
- 発作が始まった時刻を確認する。スマートフォンの時計などで、発作の開始時刻を記録します。
- 周囲の危険な物を離す。家具の角、熱い物、刃物、硬い物などを本人から遠ざけます。
- 頭の下に柔らかい物を敷く。吸水タオルを使う場合は、折りたたんで頭の下に置きます。首を締めるような巻き方はしません。
- 衣服の首元やベルトをゆるめる。呼吸を妨げない範囲で行います。
- 体を押さえつけず、発作の動きを止めようとしない。手足を押さえると、骨折や関節のけがにつながることがあります。
- 口に物を入れない。タオル、水、指、スプーンなどを口に入れないでください。
- 発作が収まったら、呼吸を確認する。意識が戻るまでそばで見守り、必要に応じて体を横向きにします。
タオルを口に入れてはいけない理由
発作中にタオルをかませても、舌を守ることはできません。むしろ、タオルをかんで口の中を傷つけたり、布がちぎれて気道に入ったり、呼吸を妨げたりするおそれがあります。
「舌をかまないように」と考えて口へ物を入れるのは、現在の発作対応として適切ではありません。唾液や吐物が見えても、口の中へ指やタオルを入れて取り出そうとしないでください。
発作後に吸水タオルを使うときの注意点
発作が止まった後も、すぐに意識がはっきりするとは限りません。眠ったように見える場合でも、呼吸の状態を確認し、そばを離れないでください。
吐物や唾液が多い場合は、呼吸を妨げないよう、可能なら体を横向きにします。タオルは口元の外側に添える程度にし、鼻や口を覆わないようにします。
呼吸が正常でない、呼びかけに反応しない、顔色が悪いといった場合は、救急車を呼びます。呼吸がない、または普段どおりの呼吸をしていない場合は、119番通報と胸骨圧迫などの救命処置が必要になることがあります。
救急車を呼ぶ目安
次のような場合は、発作がてんかんと分かっている人でも119番通報を検討してください。
- 発作が5分以上続いている
- いったん止まっても、意識が戻らないまま発作を繰り返す
- 発作後も呼吸が普段どおりに戻らない
- 発作中に頭を強く打った、出血した、やけどをした
- 水中で発作が起きた
- 初めて起きた発作、または原因が分からない発作である
- 妊娠中、糖尿病があるなど、重い状態が疑われる
通報時は、発作が始まった時刻、続いた時間、発作が何回起きたか、呼吸の状態、けがの有無を伝えます。本人の処方薬がある場合でも、意識が戻っていないときに口から飲ませてはいけません。
吸水タオルを使うか迷ったときの判断
| 使い方 | 判断 |
|---|---|
| 頭の下に敷く | 周囲の安全を確保したうえで使用できる |
| 口の外側の唾液や吐物を拭く | 呼吸を妨げない範囲で使用できる |
| 口の中に入れる | 使用しない |
| 手足を縛る、押さえる | 行わない |
| 鼻や口を覆う | 行わない |
つまり、吸水タオルは発作への治療道具ではなく、けがや汚れを防ぐための補助用品です。使う場合も、本人を押さえたり、口に入れたりせず、頭の下や口元の外側に安全に使います。
最初に行うことは、発作の開始時刻を確認し、危険な物を遠ざけることです。発作が長引く、呼吸が戻らない、けががある場合は、タオルの使用より119番通報を優先してください。







