てんかん発作時の外出先での対応を伝える連絡カードとは?

てんかん発作時の外出先での対応を伝える連絡カードとは?

てんかん発作時の外出先での対応を伝える「連絡カード」とは、発作を見た人が慌てずに対応できるよう、本人の病気や発作時の対応、連絡先を記載して携帯するカードです。決まった全国共通の書式があるとは限らないため、主治医や家族と相談し、本人の発作の特徴に合わせて作成します。

カードは周囲の人に対応を任せるためだけでなく、救急隊や医療機関へ正確な情報を伝えるためにも役立ちます。ただし、発作が長引く、繰り返す、呼吸が戻らないなどの場合は、カードの有無にかかわらず119番通報を優先します。

連絡カードに書く内容

連絡カードには、発作中に必要な情報を短く、見つけやすく書きます。本人が携帯する場合は、財布や定期入れ、スマートフォンケースなど、外出時に必ず持つ場所に入れておくと確認されやすくなります。

項目 記載例・内容
病名 てんかん、発作が起きることがある
発作の特徴 突然倒れる、体が硬くなる、手足がけいれんする、意識が戻るまでの目安など
発作時の対応 時間を測る、周囲の危険物をどける、頭の下に柔らかい物を置くなど
してはいけないこと 体を押さえつけない、口に物を入れない、水や薬を無理に飲ませない
緊急連絡の条件 発作が5分以上続く、発作を繰り返す、呼吸が戻らない、けがをした場合など
連絡先 家族、支援者、主治医または医療機関の名称・電話番号
服薬情報 服用中の薬、発作時の薬の有無、使用条件
本人の情報 氏名、生年月日、アレルギー、持病など。必要な範囲に限る

薬の名前や使用方法は、処方内容と一致させてください。発作時に使う薬があっても、カードに使用条件や方法が書かれていない場合、外出先の人が自己判断で投与するのは避け、主治医の指示に従います。

発作を見た人に伝える基本の対応

発作の対応は、まず本人の安全を確保し、発作の開始時刻と経過を確認することが基本です。多くの発作は自然におさまりますが、周囲の人が体を押さえたり、口に物を入れたりすると、けがや窒息につながるおそれがあります。

  1. 時計やスマートフォンで、発作が始まった時刻を確認します。
  2. 道路、階段、熱い物、水辺などの危険があれば、本人を無理に動かさず、周囲の危険物を遠ざけます。危険を避ける必要がある場合だけ、可能な範囲で安全な場所へ移します。
  3. 眼鏡や首元を締める物を外し、頭の下に衣服やバッグなど柔らかい物を置きます。
  4. 体を押さえつけたり、揺さぶったりせず、口に指や物を入れません。水や食べ物、薬も、意識が十分に戻るまで無理に与えません。
  5. けいれんが止まった後、呼吸があり、本人を動かしても安全な状況であれば、体を横向きにして気道を確保します。
  6. 発作の長さ、体の動き、意識や呼吸の回復、けがの有無を確認し、連絡カードに書かれた連絡先へ連絡します。

発作の種類によっては、倒れずにぼんやりする、動作が止まる、同じ動きを繰り返すなどの症状もあります。連絡カードには、本人に起こりやすい発作の様子を具体的に書いておくと、周囲が発作を見分けやすくなります。

次の場合は連絡カードより119番通報を優先する

次のような場合は、発作の経過を確認しながら119番へ通報します。救急車を呼ぶか迷う場合も、発作の長さや本人の状態を伝えて相談してください。

  • けいれんなどの発作が5分以上続いている
  • 発作が繰り返され、発作の間に意識が戻らない
  • 発作が止まった後も呼吸が戻らない、または呼吸が苦しそう
  • 発作中に頭を強く打つ、大きなけがをする、出血が続くなどの状態がある
  • 水中で発作が起きた、または溺れた可能性がある
  • 今回が初めての発作かどうか分からない
  • 妊娠中、糖尿病など、本人の状態から緊急性が高い可能性がある

通報時は「てんかんの発作かもしれない」「何時から始まったか」「けいれんが続いているか」「呼吸があるか」「けがの有無」を伝えます。連絡カードがあれば、カードの内容を救急隊に見せます。

外出前にカードの内容を確認する方法

カードは一度作って終わりではありません。薬や連絡先、発作の状態が変わったときは、内容を更新してください。

  1. 主治医に、発作時の具体的な対応、救急車を呼ぶ目安、発作時の薬の扱いを確認します。
  2. 本人に起こりやすい発作の様子を、短い言葉で書きます。「意識を失う」だけでなく、「突然倒れ、全身が硬くなった後に手足がけいれんする」など、見た目が分かる表現にします。
  3. 家族や学校、職場、同行者など、連絡が必要な人の電話番号を確認します。
  4. カードを本人が普段使うバッグや財布などに入れ、外出時に携帯できているか確認します。
  5. カードの内容を家族や支援者と共有し、発作が起きた場合の動きを一緒に確認します。

個人情報を多く載せすぎる必要はありません。紛失時のリスクを考え、外出先の人が安全な対応と連絡をするために必要な情報に絞ります。必要に応じて、表面に「てんかん発作時の対応あり」と書き、詳しい情報を裏面にまとめる方法もあります。

連絡カードの記載例

以下は作成時の例です。実際の発作の特徴や薬の指示は、本人に合わせて主治医へ確認してください。

てんかん発作時の連絡カード

  • 氏名:________
  • この人には、てんかん発作が起きることがあります。
  • 発作の特徴:________
  • 発作が始まったら、時間を測ってください。
  • 危険物を遠ざけ、頭の下に柔らかい物を置いてください。
  • 体を押さえつけないでください。口に物や指を入れないでください。
  • 意識が戻るまで、水・食べ物・薬を無理に与えないでください。
  • 発作が5分以上続く、繰り返す、呼吸が戻らない、けががある場合は119番へ通報してください。
  • 家族・支援者:________(電話________)
  • 主治医・医療機関:________(電話________)
  • 発作時の薬:________(使用条件は主治医の指示どおり)
  • 更新日:__年__月__日

本人が自分で説明できる場合でも、発作後は意識がぼんやりしたり、記憶があいまいになったりすることがあります。カードを携帯し、発作時の対応を周囲の人と共有しておくと、外出先での判断材料になります。

連絡カードを作るときの判断ポイント

連絡カードは、発作の種類や本人の年齢、外出先によって必要な情報が変わります。特に、発作が起きたときに本人が助けを求められない場合、発作時の薬を使う可能性がある場合、学校や職場など家族以外の人と過ごす時間が長い場合は、主治医や支援者と内容を具体的に決めておくことが大切です。

カードに書かれていない対応を周囲が推測しないよう、迷う部分は「119番へ」「家族へ連絡」など、次に取る行動を明確にします。最初に行うことは、主治医へ発作時の対応と救急要請の目安を確認し、その内容を短くカードへ反映することです。